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前回の記事では、Windowsの機能の「クリップボード」をご紹介しました。
実は、Office製品にも、同名の機能があります。
「Windowsのクリップボードは、アプリを横断できて便利だから、Officeの方は使わなくても大丈夫じゃない?」と思いがちですが、やはりOfficeのクリップボードは、Officeの操作に即して作られているのです。
ということで、今回はOfficeのクリップボード機能を掘り下げます。
Windowsのクリップボードとの違い
※画面はOffice365です。
※画面はExcelですが、ほぼ同様の操作を、Word、PowerPointでも行うことができます。
Windowsのクリップボードでも、情報のコピーとその保持を行うことは可能です。
機能の一部はどちらのクリップボードでも利用できますが、以下の点では、Officeのクリップボードの方が優れています。
①図形を維持することができる。
1回目のコピー&ペーストであれば、どちらも図形の持つ情報を維持することが可能です。
ですが、2回目以降になると、差が発生します。

〇と△を準備しました。どちらも、塗りつぶしは無しにしています。
1回目に〇、続けて△をコピーします。
Officeのクリップボードを利用して、〇を貼り付けた場合…

コピーした通り、塗りつぶし無しの状態で貼り付けることができました。
では次に、Windowsのクリップボードから、〇を貼り付けてみると…

丸を中心に四角く図が成型され、その部分が不透明になっています。
塗りつぶし設定もオミットされています。
このように、Windowsのクリップボードを利用した場合、一部の図の設定が違ってしまうのです。
②数式を維持できる。
こちらも、1回目のコピー&ペーストであれば、どちらの方法でペーストしても、数式を維持することができます。
今回は画面のようなデータを用意しました。

「A2」のセルには、「=A1+B1」の数式が入っています。
この一帯をコピーした後、関係のない別のものをコピーします。
この状態で、Windowsのクリップボードから、コピーを行うと…

「3」は、数式ではなく、値に切り替わっています。
一方、Officeのクリップボードを利用した場合は、数式が維持されました。

※ちなみに、Wordで文字をコピーした場合は、
・フォント
・文字サイズ
・文字色
・蛍光ペン
・文字の効果と体裁
の情報を、Windows側のクリップボードでも引き継ぐことができます。
③情報の維持について
Windowsのクリップボードの優れている部分もご紹介します。
Officeのクリップボードの場合、PCを一度シャットダウンしてしまうと、情報はリフレッシュされます。
Windowsのクリップボードのように、情報をピン止めして保護しておくことはできませんので、ご注意ください。
↓Windowsのクリップボード機能の記事はこちら↓
★★リンク挿入★★
Officeのクリップボードの使い方
・起動方法
「ホーム」タブ>クリップボードの部分をクリックすると、画面左側に表示されます。

・貼り付け方
クリップボード上の該当項目をクリックします。
貼り付けができます。

・情報の維持について
Office製品同士、クリップボードは共有しています。
Excelでコピーした情報は、Wordで開くクリップボード上でも表示されます。

・情報の削除
クリップボード上の情報を削除したい場合は、「すべてクリア」か、個別の場合は、該当のデータの横の▽ボタンを押下して、「削除」を選択します。

さいごに
Windowsのクリップボード、Officeのクリップボード、両方の長所短所を理解して、上手に使い分けると、日々の業務が少しずつ短縮されるかもしれません。
是非ご活用ください。