リモートワークをするにあたって、「フリーWi-Fi使用不可」という規定を設けている組織は多いと思います。
とはいえ、外で仕事をしなければならくなったとき、ネット回線につながらなければ仕事にならないし、かといってテザリングだと遅いし、データ量を食うし…
そんな時に目に入るフリーWi-Fi。とっても魅力的なフリーWi-Fi。

でもちょっと待ってください、それって安全なWi-Fiですか？
いや、そもそも安全じゃないWi-Fiを使ったらどうなってしまうの？

ということで、今回は「フリーWi-Fiの危険性」について、解説してまいります。

そもそも「危険なWi-Fi」ってどういうこと？

もちろん、外部で提供されているWi-Fiのすべてが、危険性が高い、というわけではありません。
「フリーWi-Fiの場合、安全性が保障されない」が正しい認識です。
フリーWi-Fiとして提供されているWi-Fiがどのように管理されているのか、利用者の私たちに公開されているわけではありません。もしかしたら提供されている中には、安全管理がずさんなWi-Fiもあるかもしれません。
では、安全管理を怠っているWi-Fiを使った場合、私たちにどのような被害が発生するでしょうか。

・通信内容の漏洩
安全を重んじるならば、Wi-Fiに限らず、通信を行う際には必ず通信を内容を暗号化します。
仮に暗号化処理をされていないWi-Fiの場合、暗号化されていないサイト（サイトのURLが、httpから始まるサイトは、暗号化されていません）を利用している場合、
　 閲覧している内容
　 サイトに入力した情報
などは、盗み見ることが容易です。
その場合、入力したパスワードやカードの情報は詐取されてしまいます。

・端末の乗っ取り
ウイルスを送り込まれ、端末を乗っ取られてしまう可能性があります。

対策

①提供者を確認する。

そもそも、そのフリーWi-Fiは、悪意ある攻撃者が設置したものかもしれません。
Wi-Fiのアクセスポイントの名称は、任意で設定することが可能です。
公共施設・商業施設の名称がついていたとしても、それがその施設が提供しているWi-Fiであることの証明にはなりません。
攻撃者が、名前を拝借しただけかも…
その施設が提供しているWi-Fiなら、掲示物や配布物など、どこかしらに情報提供があります。
Wi-Fiについての掲示をみてから、Wi-Fiに接続しましょう。

②フリーWi-Fi利用中は「https」から始まるサイトだけ見る

「https」から始まるサイトは、サイトとこちらの端末の間で暗号化通信を行います。
この暗号化は、Wi-Fiが暗号化されている/いないのとは関係なく行われるため、通信の内容が安全に保たれます。

③VPNサービスや、セキュリティーソフトを導入する。

VPN（バーチャル プライベート ネットワーク）は、拠点間の通信を暗号化して、仮想的な専用回線を使用できるようにする仕組みです。
VPNを利用する場合は、使用しているWi-Fiが暗号化されていなかったとしても、通信の安全は保たれます。

さいごに

フリーWi-Fiは、通信量の節約の面ではとても魅力的ですが、上記のような危険性もはらんでいます。
車の運転や刃物を料理に使うのと同様で、何か便利なものを利用する場合、「こういう危険性もあるのだ」ということを、きちんと認識する必要があります。